Adobe予測、2025年米国ホリデーシーズンのAI支援オンラインショッピングが520%急増
米国のホリデー商戦のオンライン売上は、アドビのeコマース連携部門・Adobe Analyticsの新たな報告によれば、今年は約2,534億ドルに達し、前年比5.3%増となる。
Adobe Analyticsは、米国内の小売サイトへの訪問を1兆回超分析して予測を算出しており、18の製品カテゴリにわたる1億点のSKUを含んでいる。
同部門の分析ソフトは米国の上位100オンライン小売業者の過半数に採用されており、オンラインショッピングと消費者行動への深い洞察を提供している。
同社はサイバー・マンデーが今年も年間で最も大きい買い物日になると予想しており、前年比6.3%増の142億ドルに達する見込みだ。
ブラックフライデーも成長が大きく、前年比8.3%増の117億ドルに到達する見込みだ。
感謝祭の日の米国消費者によるオンライン支出も、オンラインセールの早期化を背景に前年比4.9%増の64億ドルとなる見込みだ。
今季の売上を牽引するのは割引需要であり、商品は定価から28%安くなる見込みだ。
モバイル端末での購買、AIサービスを使ったショッピング、BNPL(Buy Now, Pay Later)といった動向がオンライン販売の伸びを後押しする。
注目すべきは、生成系AIを活用した購買が今年急増するとの見通しで、AIによるアクセスは前年比520%増、感謝祭を迎える直前の10日間にピークを迎える見込みだ。
これは2024年に米国の小売サイトへのAIトラフィックが前年比1,300%増となったことに続く。
同社は、米国の消費者5,000人を対象にした調査に基づき、購入前のリサーチでAIを主に利用するとみており、回答者の53%がこの用途でAIサービスを利用する可能性があると答えた。
調査では、推奨のためAIを使うと回答した人は40%、ディール探しには36%、ギフトのインスピレーションには30%だった。
アドビは、AIが最も活用されるのはおもちゃ、電子機器、宝飾品、パーソナルケアといったカテゴリーだと見ている。
今年もモバイルデバイスがデスクトップより多くのオンライン支出を牽引し、シェアは過去最高の56.1%に達する見込みだ。
昨年はこの時期のオンライン取引の54.5%をモバイルが占め、2023年の51.1%から増加した。
モバイル成長がいつ鈍化・安定化するかは不透明であり、特に市場に出回る大型画面スマートフォンの普及によってオンライン購買が容易になっている点を踏まえるとなおさらだ。
2025年のホリデー商戦でもBNPLサービスのさらなる普及が見込まれ、オンライン支出は前年比11%増の約202億ドルとなり、2024年の季節より約20億ドル多い見込みだ。
サイバー・マンデーでもBNPL分野の新たなマイルストーンが見込まれ、同カテゴリのオンライン支出は前年比5%増の10.4億ドルに達する見込みだ。
ソーシャルメディアは今年もオンライン販売を押し上げる見込みだ。
ソーシャルメディア広告はオンライン収益を前年比51%増に押し上げる見込みで、2024年の前年比5%増から拡大する。
総支出の上位カテゴリには、電子機器が575億ドル(前年比4%増)、衣料品が476億ドル(同4.4%増)、家具が311億ドル(同6.5%増)が含まれる。
