Square、店舗向けにAI音声注文と統合ビットコイン決済を開始
Square(スクエア)、Block(ブロック)社の加盟店向け決済プラットフォームは、レストラン向けのAI音声注文機能を含む新機能を発表した。AIアシスタントの現地情報提供など機能を強化するとともに、デジタル通貨ビットコインを受け入れ保有できる統合ソリューションを追加する。
同社は now、Squareを利用するレストランやカフェがAIを活用して着信呼出しを処理できるようにした。クラウドキッチン(デリバリー専用店舗)やデリバリーを主力とする店舗にとって特に有用であり、注文受け付けやカスタマイズ、その他のメニュー関連の質問をAIに任せられる。ボットは「本日のおすすめは何ですか?」や「料理を辛くしてほしいが、乳製品は使わないで」などの要望に対応可能だ。
他にも、YelpやKeaといった企業がレストラン向けの音声AIソリューションを開発している。Squareは、決済とキオスクのエコシステムと統合されている点が際立っており、店舗が注文を管理しやすくなると述べている。
さらにSquareは、Grubhubとの統合を追加して第三者配達の注文を効率化し、頻繁に利用するメニューへアクセスしやすいようキオスク画面を再設計、在庫を管理・最適化するAI搭載の在庫管理ツールを追加する。
POS企業として、今年初めに公開ベータとして開始されたSquare AIアシスタントにも新機能を追加する。ボットは天候・周辺イベント・業界動向といった現地情報を提供できるようになっている。
これまでもアシスタントは店舗データや問い合わせに基づく可視化を作成できたが、現在はダッシュボード上に自動更新されるウィジェットとして保存できるようになった。
さらに、Square AIとの会話履歴へアクセスできる機能や、商人向けモバイルアプリのダッシュボードといった新機能も追加される予定だ。
Blockの共同創設者ジャック・ドーシーのビットコインへの熱心さは周知の事実だ。Squareは昨年、日々の売上の一部をビットコインに換えることを加盟店に認め始めた。現在は販売者向けの統合ビットコインソリューションを導入しており、ウォレットを含む。
ビットコインの普及を促進するため、同社はPOS端末から直接デジタル通貨を受け入れ、1年間は処理手数料を無料にする方針だ。2027年には1%の処理手数料を課す予定だ。
また、ダッシュボードから直接ビットコインを購入・売却・保有・出金できる統合型Square Bitcoinウォレットも提供する。
昨年、Squareは日々の売上の1%から10%をビットコインへ換えることを小売業者に許可した。Square Bitcoinの導入により、店舗は日々の売上の最大50%をビットコインへ換える選択ができるようになるとされている。執筆時点で142ビットコインを蓄積しており、約1,700万ドルを超える価値に達しているとも説明されている。
Miles Suter、Blockのビットコイン製品責任者は、「Squareで開発しているビットコイン関連ツールは、販売機会を逃さないことと、財務管理を強力なツールで支援するという2つの重要なニーズを満たす」とコメントした。
「ビットコイン決済をカード決済と同様にシームレスにしつつ、中小企業にもこれまで大企業だけが利用できた財務管理ツールを提供していく。SquareとCash Appを通じて対面の両サイドにサービスを届けることで、Squareはビットコインを“日常の資金”として機能させる独自の立場を築くとともに、店舗運営を将来に備えて強化する手助けにもなる」と彼は付け加えた。
オンラインの多くの店舗がビットコインを決済として受け入れている一方、ビットコイン取引の大半は依然として投機的取引と関連している。eMarketerの調査は、仮想通貨を決済手段として利用する米国のユーザー数が2026年に710万人へと急増する見込みだと示す。ビットコインに対して強気姿勢を続けるBlockは、新たな加盟店向けオファーを通じて通貨の普及拡大を狙う。
